「発達障害と言いたがる人たち」を読んだ感想

「発達障害と言いたがる人たち」を読んだ感想

夏休みなのでたまには読書感想文でも。

選考理由:タイトルが発達障害者に怒られそうな本だと思ったので発達障害が読んだろと思った。


一応、注意書きもされていますが、
実際の発達障害の人々を軽視したり、思い込みで病院に行くなよと言っている本ではないです。

まだ一回しか読んでないんでざっくりとした理解になるけど、
誰にでもある「特別」になりたい願望と、日常の困りごとが重なって、そこに近年「発達障害」という定義が曖昧でそこそこ誰にでも当てはまりそうなものが有名になってきたがために、今このブームみたいなのが起きてるんじゃないかと言ってる本。(たぶん)

でもよりにもよって序章と結論にあたる部分が割と雑というか、序章と結論だけ読んだら「舐めてんのか」って気持ちに実際なりそうな本だとも思った。
風呂敷の柄はよく見たらきれいなのになんか結び方と形おかしくない?みたいなそんな感覚でした。

「あなたは発達障害じゃありません、でも平凡でいいじゃないですか…あなたはもうオンリーワンなんですよ…」
なんて言葉だけで納得して終われるんだったらわざわざ病院には行かないからね。
それこそ救いを求めてカルトとかの詐欺の被害にあいそうでこわい。
精神科医が、しかも発達障害について詳しくはないですって言い切ってる人が、簡単にそんなこと言わないで欲しい、とは思いました。

 

個人的におもしろかったところ

実際の発達障害の診断において、丁寧コースと簡単コースがあることを挙げていて、読む限り多少違うところはあるものの私はいわゆるこの丁寧コースを受診した模様。
簡単コースのほうは、推測される病名を除外していく、ちょっと消去法的な診断な感じに受け取れた。

障害の判断に臨床心理士による知能テストや、子供時代の様子なんかをすごく聞く時間があるよーってのはどっかの記事でも書いた気がするけど、まさかこれが丁寧コースで、簡単コースなんてものがあるとは!と思った。
病院選びって大事だなぁ。
(ただその丁寧コースをやってくれるような病院が何年、何ヶ月待ちにあると言う現状も書かれている)

発達障害自体が非常にまだ定義や診断方法が曖昧であることをちゃんと書いていて、その上で軽度の発達障害と定型発達とのグレーゾーンにいる人々がいる、という診断はなるほどと思わされた。
やっぱりまだまだ医学側的には難しい問題なのに、言葉だけ有名になっちゃっている感があるようですね。
丁寧コースにしても、知能の平均値との差で見ていたけど、平均値をだして完全に平均値と同じ人がいたら逆にそれはマイノリティっていうのは、言われてみれば確かに!プロの素村人みたいな感じだな。

製薬会社の裏側(新薬を売りたい→病院でしか処方されない→その薬が処方される病気を認知させよう→広告化)なんかは、電車でめっちゃそういうの見かけたことがある!ってテンション上がった。
ステマとはこういうのを言うんだなぁ。
この発達障害もそういうビジネス的な面があったりなかったり、ていうのは、実際に医学に通じてる人ならではの具体的な話になるので面白かったです。

あとは、私は丁寧コースを早期に受けれてラッキーだったなぁと思った。

 

私の考えと一致するところもあったよ

以前の記事
シンデレラじゃいられないけどラプンツェルにもなれない
でも少し触れたのですが、障害者である=特別である自分というものに酔った瞬間と、そのあと打ちのめされたよーってことが私もありました。
この本では発達障害を一種の才能・個性として得たいと無意識的に持っている人たちがいることを言ってますね。

私は大学で論文書くときに一度、『人間は名前がついたもの・定義がされたものであれば安心し、正体不明のものには不安感と恐怖を感じる』ってことを「原作遊戯王」をテーマにやったことがありまして(お前大学で何やってんだって言われれるとバイト以外は好き勝手やってました、としか本当に言えない。)、この気持ちも似たところがあるのではないかなぁと思いました。

発達障害でいうと、例えば自分の片付けができないって事実を、そういう何か特殊な事情によるものだと知って安心したい=自分のせいではない、という気持ちがある人々がいるんだということだ。

実際のところは障害だろうと障害じゃなかろうと部屋が片付かないのは自分が悪いんだけど(ゴミを出してることは事実なので)、自分の意思でコントロールできない何かのせいだと思いたいって気持ちは結構理解できる。
その名前が「障害者」の烙印でいいのか?ってところに深く切り込んでほしかったなぁと個人的には思いました。

ただ、この本だと序章で、ドクターショッピングを納得いくまで続けるのか、みたいな皮肉を書かれちゃってるんで、
いやいや、目に見えたり数値化したりが進みにくくて、医者側でも脳の中の正常に動いていないらしい何か、くらいを診るからはっきりとした定義をしづらいのですよって自分でも言ってんだから、セカンドオピニオンを否定するようなこと言うなよと思った。

お金があるなら、いくらでも回ればいいじゃん。
事実苦しいって思っているんだし、少なくともその行動で経済が多少回るんだし。
ただなぁ、多分友人の話やネットで見かける無料チェックリストをやった限り、私そうかもって結構確信して診断受けても、いざ言われたらやっぱりショックで泣いたのが私なんで、
「発達障害」って言葉は全然スター性なんてないし、中途半端にまともな人間って根っからの化け物より多分生きにくいぞ。あと病気じゃないから、治らないんだぞ。
ってだけ分かってから病院巡りしたほうがいいと、個人的に思います。

 

さいごに。

私はこの本で言うところの丁寧コースを受けて、うつ病と発達障害と診断されて、薬を処方されてから随分と楽になったし、自分の考え方や知識がすごく偏っているものだっていう自覚ができたから、診察に行ってよかったと思う。
なので、私個人の考えとしては、疑いがあったら診察に行くべきだと思う。

ただ、私が診察に行ったのは、発達障害じゃなくても間違いなくうつ病だろうなと自分でもわかるくらいに精神が病んでいて「障害かはわからんけど行くのは無駄にはならんだろ」って気持ちの状態だったのは大きかった時でした。
あくまでツイッター情報ですけど、お医者さんによってはかなり雑な診断をされるようなので、それこそ「疑いがあるけどまさか自分が…?」くらいの人は読んでみて、そういう憧れのある自分がいるかもしれない、と客観視した上で診断に挑むのはありかもしれない。
思っていたより文章量は少ないので、比較的読みやすい方ではありますよ。
ただ、書かれている通り、専門的に発達障害に詳しい方の著ではないので、事前知識を知りたいって理由でしたら他の本のがいいのかなーって感じです。

以上!

 

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